未来永劫

メリーバッドエンドが好きです.

メルカリのBold Internship2017 に参加した

https://www.mercari.com/jp/recruit/boldinternship_2017/
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夏のSummer Internshipに引き続きアメリカ or イギリスのどこかにランダムで飛ばされるインターンに参加した.

前置き

発端はバイト中にメルカリの社員さんから「今年もBold Internshipやるよ」と話を振ってもらったこと.
英語が出来ない(B3でTOEIC300点台のGoBoldさ)*1 & 海外渡航経験ゼロなので一瞬渋い気持ちになったが「Go Boldにやっていき💪」と返事をしてしまったので,大胆に応募課題を書いて提出した.*2

概要

第1回目のインターンが大きく話題になったので知らない人は少ないかと思うが,このインターンの特徴は

  • 海外渡航費(調べたら年末年始の時期は片道で20万円前後)
  • 現地宿泊費(Airbnbで自分で宿を取る.10万前後)

が全て会社負担.
しかもインターンの参加報酬として12万円が降ってくるプログラム.
1週間渡航する中でのほとんどの料金を会社が負担してくれる計算になる.

第1回目と2回目の違い

違いは2つある.

1つは渡航先にUKが追加されたこと.メルカリはイギリスでも展開しているため,UKでのヒアリング情報はUS同様に重要となるので納得する.
もう1つは企画職とエンジニア職がペアになったこと.
以前はそれぞれが1人で渡航していたが,今回はペアで必ず渡航しなければいけなくなった.
前回と比較して企画職の人はより企画を仕上げ,エンジニア職の力を借りて実現性の議論やモックの作成が容易になったと考えられる.*3

派遣州

派遣州はマサチューセッツだった.
主に派遣期間はマサチューセッツ州の中心都市であるボストン(主にダウンタウン,ビーコンヒル付近)に滞在していた.
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ボストン付近では学園都市としての側面も強く,ハーバード大,MIT,ボストン大,タフツ大など有名大学が連なっている.
地図上の左上がハーバードで,特にハーバードとMITは物理的距離も近く,電車ですぐの距離にある.
主要な機能が集約していることもあり,アメリカにしてはインフラも整っており,地下鉄が張り巡らされている他,バスや路面電車などの交通網が生きているのが特徴.
ライドシェアサービスとしてUberLyftなどが挙げられるが正直これらが無くても都市部だけなら生きていけるなと感じた.*4
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写真はボストンの街中の1枚.歴史的な建物と背後に映る近代的なビルがなんともミスマッチで味わい深い.

渡航期間は12月末から1月初旬.現地は-10度を余裕で下回る(夜で-16度)ので空港を出た直後に渡航した事を後悔する.
現地の人たちは皆ニット帽と厚手のジャケットを着用していて,適当な服で徘徊する事の愚かさを教えてくれた.

事前準備

荷物や必須事項


有線のイヤホンは機内で利用するために,それからスリッパは宿泊先での行動用,各種シャワー用品は現地購入だと大きいサイズが多くて持ち運ぶのに不便&匂いがキツい.
地域によっては治安の問題があるので予備の財布やクレカは準備しておくと良さそう.
Airbnbの宿予約も事前にやっておくべし.
SIMフリースマホの準備もしておくと良い,UberLyftは電話番号が無いと登録出来ないので日本国内でやっておくと便利.

仮説設定

私はSummer Internshipに参加する際に会社を知る意味も兼ねてBold Internの調査をしていた.
渡航者のブログ記事は大体読み,各州ごとの問題感や価値観などを確認していた.

共通で全州で問題となっているのは認知度信頼性であった.
letgoやOfferUpなどの,CtoCマーケットとして競合となるサービスでも認知度は同様にして低かったことが特徴的.
ここで考えられる仮説の1つは,そもそもフリーマーケット方式のアプリ/サービスを利用している人自体が少ないのでは無いかということ.
アメリカの多くのユーザはネットショッピングを利用する際にAmazoneBayを利用すると前回の渡航者の方々は述べている.
これらのサービスはUSで古くから存在し,認知度と信頼性を勝ち得ている.
USで成長するためにはこの2つは欠かせないと言える.
まず必要な施策は,フリーマーケットアプリの信頼性の担保とメリットの享受だと考えられる.

仮説の2つ目はUSユーザは儲けるという観点で疎いのでは無いかということ.
goodwillを代表にアメリカでは寄付の文化が根強いという主観がある.
メルカリは現在メルカリNowという即時買取サービスを開始し,UKでも同様に開始している.
USでの即時買取サービスに該当するのが寄付だと考えられ,店頭に持っていくことで現地のコミュニティへの貢献ができる.
この文化が普及しているのは,USでは儲けるよりも社会貢献の方が価値が高いと考えられているからと考察する.
ここで考えたのは,寄付をする範囲をローカルから日本やUKなどの海外に広げ,寄付をするユーザの欲求や社会貢献価値を高められないかということである.

現地ヒアリング

地に足がついた仮説設定が出来てもヒアリングが出来ないと仮説検証が成立しない.
ここでは「ヒアリング対象のユーザのコミュニティに属し,生活の中で問題発見や調査を行う質的調査」が期間の都合上難しいので,偏りのある分布を避け,定量的に評価する量的調査を実施する.
目標調査数50人を設定し,ヒアリング対象に負担をかけない設問数(最大5-7問程度)を意識してインタビューを実施する.

ヒアリング方法

渡航者のコミュニティSlackで投稿されていた「スケッチブックなどに我々の素性,渡航理由,アンケート概要」を記載し,調査時に初めに提示する方法がとても興味深かったので我々も試すことにした.
また,参稼報酬として日本のお菓子(抹茶キットカット歌舞伎揚,きのこたけのこ,カントリーマアム)を詰め合わせたものをプレゼント用に準備した.
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予算は約4000-5000円で50人に配るには十分な量が購入できた.

ヒアリング場所

ヒアリングには場所も重要で,例えば大学などの限られたコミュニティのユーザのみを利用してしまうと偏りが発生するため,年齢性別を問わず多くの人が利用する公共図書館やカフェなどで実施することにした.
対象は学生からカップル,親子や家族連れまで幅広く取り,20代から60代まで大きな偏りが発生しないようにする.
ちなみに渡航期間の関係上大学は冬季休暇なので行っても観光客くらいしかいなかった.

結果と知見

結果

現在最終成果報告会が実施されていないためここでは割愛する.

知見

想像以上にフレンドリー

実施した結果,たどたどしい英語にも関わらず,多くのヒアリング対象が我々にフレンドリーに接してくれた.

  • ボストンにようこそ!
  • MercariはUSでもちゃんと使える?
  • 英語喋れるの? 分かりやすかったよ!
  • 大学では何してるんだい?
  • 抹茶キットカット! これ美味しいよね~

などなど,想像以上に優しく対応してくれた.最初のスケッチブック提示とお菓子がダブルで良かった.


買い物しててもスタバに行ってもエレベータで一緒になっても,気さくに他人へ声を掛け合っていて文化をとても好きになった.

英語が喋れなくても案外どうにかなる

自分は英語ができないとガチで思っていたけど,流石に50人以上アタックし続けていたらネガティブ思考が変化した.
確かに英語は人並み以下でしか喋れないけれど,本当に分からなかったらgoogle翻訳で記述してもらえば良いし,ニュアンスが伝わればそれで良いのでとにかく「会話」ということを意識しだしたら気が楽になった.
文法や発音よりも「会話」なので瞬間的に大雑把に言いたい英文を発言できるかの方が大事だった.
しかし,相手はネイティブ,超スピードで返事をしてくるので耳が悪いと死亡することもわかった😇
何度も聞き返してしまったり,リスニング力が悪くて変な勘違いをしてしまうのが反省.
次に渡航するなら英作文とリスニングを重点的にやったのちに行きたい.

それから,流石に1週間も英語漬けになるので耳が慣れる.
耳が慣れるというより抵抗がなくなるのかもしれない.「英語が喋れるようになりたいなら海外行け」という論調は今なら納得できるものがあった.*5

副詞がすごい大事だった

言葉の節々で

  • just
  • really
  • actually

などの語句が使われていたので特に感じた.微妙な表現をする際に融通が効く言葉だった.
これは多分口語だからで,主観性の強い言葉なので実際の会話文などでないと出現しないのでこれも意識して利用できると良さそう.

色々と大雑把なので気をつける
  • 「ポテト少なめで」って言ったら箱からすでに溢れてたり
  • 二郎系ラーメン*6の少なめも少なめじゃないし
  • スーパーで会計してたら前の人が未会計のジュースガブガブ飲み始めたり


こういうのばっかりだったり.
とにかく日本と比較してワイルドなので日本が恋しくなった.

旅行日記


既に-14度.


ボストンで一番大きな公園が近かったのでいけば人いるやろと思ったけど寒すぎて全く歩いてなかった.



図書館情報学徒はあまりの自由さに感動した.


リスでした.


ザリガニめっちゃ美味かった,オススメ.


ユニクロは海外だとちょっとした良い目のブランドになってた.


寿司の概念が変わった.


あまりにも想定サイズと違ったので昼と夜に分けて食べた.



日本ではSuperdryが規制で販売されないため,この商品を買うなら今しかないと思った.
実際質もいいしCoolなので推したい.*7


水族館に行った.亀のサイズが浦島太郎に出てくるサイズと,それすら遥かに超える亀がいて驚いた.
触れ合えるサメの特集をしていたのでサメに触った.可愛かった.
とにかく日本と比較して魚や動物との距離が近くてよかった.


ここはボストンでも人気店らしく,開店と同時に行ったがその後あっという間に席が埋まってしまった.


MITとハーバード大の中間にある都市部にはGoodwillの店舗があった.想像していたよりも質はずっとよかった.
お客さんも沢山いて,同時に寄付している人もいたので至って自然に寄付文化が根付いているなと思った.


Miracle of Science barというお店.普通に美味しかったしBroken Englishなのに対応してくれて助かった.
チップを多く払おうと思ったのに失敗してしまって後悔している.




最終日,帰国予定であったが吹雪のため丸1日欠便で帰れなくなってしまった.
1週間天候は安定していたが,最終日になって猛烈な吹雪に見舞われてしまった,年始から運がない.
メルカリの社員さんへの連絡,提携旅行会社への連絡をし,今日分の補填が行われることを確認した.
吹雪なので勿論出歩けず,一日分時間をロストしてしまったが,今後渡航する人の参考にもなるだろうし,ネタにもなったので良いでしょう.

まとめ

  • マサチューセッツ州ボストンに渡航した
  • 現地ヒアリングを頑張った
  • アプリの使われ方や生活感に関する知見は多く溜まるのでエンジニアでも行く価値がある
  • 事前調査がヒアリングにクリティカルに影響するのでやるべし

*1:今はもっとマシだが,それでも他の参加者と比較して劣っているでしょう

*2:夏のインターンとも別枠なので,ちゃんと選考を受けた.ちなみに応募課題で書いた内容は自分の恋愛遍歴.

*3:といっても中々難しい,仮説と検証の結果出されるアウトプットが施策の1つになるか機能追加の1つになるかは分からないからだ 大事なのは結果が数字として信頼できる値なのかだと思う

*4:が,実際に地下鉄などのインフラを利用してみると,そもそもシステムや設備自体が前時代的で日本都市部の交通インフラが以下に優れているかがよくわかる. 実際,地下鉄が走っていない地区もありそれらの移動ではUberなどの方が利便性に勝る.これらのライドシェアサービスは浸透しきっていた.

*5:実際は語彙や表現,会話に問題があるのは変わらない あくまで「慣れて抵抗が無くなる」だけ

*6:Bostonには「夢を語れ」という名前のラーメン屋がある.完食後に自分の夢を語ることがある意味必須で,食べてる人も完食した人の語った夢を聞いて応援したりしていた.

*7:なんとメルカリ内で購入できます.

goodbye 2017

年末ですね.
現在ボストンに絶賛渡航中でして,皆さんが大晦日を楽しんでいる中僕はようやく大晦日になりました.
ボストンの話はまた別のところで書きます.

1月

無事に卒論最終発表を終えたはず.
この頃の就職する同期や3編生は微妙な顔をしていたけど,それでも肩の荷が下りてピリピリしない落ち着いた会話が出来ていてよかった.
この時期からDEIMという国内会議に参加するためにぼちぼち研究の追実験や追実装を行なっていた.
エンジニアリングは某ベンチャーで働いていて,このころは研究開発(や,モックアップの作成など)を行えていて精神衛生は悪くなかった.

2月

バイトと研究とLoLに忙しい日々だった.特にLoL
大学に編入してからというものの,まとまった長期休みは殆どを長期インターンなどに割いていたため,のんびり過ごせてよかった時期だった.
そろそろ同期が卒業してしまうことを考えて若干落ち込み出した時期だった.

3月

卒業した.それからDEIMに行った.
大学からの国内研究に関する支援金は年間5万円なので,(開催地が岐阜ということもあり)移動費を込みにしても自費で出動せざるを得ないのが渋かった.
結果,岐阜に帰る友人の車でドライブ -> その日の深夜四時までプレゼン作成 -> 発表後に車で来ていた友人とドライブで茨城に帰宅 という肉体疲労マシマシの2日間の生活をした.
金のない研究室なので仕方ないなと思っていたが,流石にボスの研究費として下ろせるらしい(はじめに言って欲しかった).

4月

大学院がクソすぎて鬱になった.
大学院のクソなところは散々記述したが,まぁ要するに時間的にも精神的にも負担の大きい(面倒くさい)課題が多かった.
1年過ごしてわかったのが,大学側は「教員がアレコレ授業で教えるから,お前らは課題やって卒業生として恥ずかしくない知識を獲得しろよ」という気持ちらしくslisでは研究させる気がそもそも無いことがわかった.
この大学院の方針との心の摩擦は厳しかった.研究にもっと時間割かせてくれてもいいと思うんだけど…

余計な消耗をした一年なのでこの大学院への進学は勧めない.


僕自体は14回してて,大学院の生存戦略とかを考えてプレゼンさせる授業が必修で存在してたり,他人の研究発表(になってないレベルのDeepを使った◯◯みたいなの)を必修で見せられ続けて時間の無駄だなと思った.
発表をさせる割には「どのように発表すれば良いか」や「資料作成のベストプラクティス」を誰かが授業で教えてくれる訳でも無いので「しょうもないプレゼンをする人」は「しょうもないプレゼンのまま1年経過」していて渋かった(n人の発表のfeedbackを強制させられるので色々指摘したんですが直らない).
質問やfeedback自体も基本的に必須で,これも良い質問の方法を教えてくれる訳では無いので登壇者側は消耗する.

5月

今度はバイトが鬱だった.
研究開発がやれていたが,人が足りなくなってバックエンドを書くことになり消耗気味だったのと,僕ともうひとりのバイト生への怒られが発生して消耗具合が激化した(コミュニケーション難から生じる問題なのでどちらも不幸).
一番厳しかったのはこの時期から書いてたコードが,後に僕が抜けたタイミングで全部巻き戻し喰らったことで,巻き戻された原因も「事前に問題想定が出来,かつ事前に問題指摘をした」タイプのものだったのでお金を頂いていたとはいえ渋かった.(これもおそらくコミュニケーションの問題から生じたものですね)

6月

この時期から競プロのコードを書くようになった.
理由はマイナスの要因が強くて,「就活で何故か競プロ力が過剰に測られがちだから」というものだった.
これ,本当に意味がわからないので企業もやめた方がいいと思う.(要は適切に志望分野に対する能力評価がされてない不信感がある)
まぁ実際これをきっかけにRust触り出したりもしたので結果的に悪いトライにはならなくてよかった.

7月 - 9月

この時期が正直一番楽しかった.
インターンでは,自分のやりたい分野で仕事ができる楽しさや,やりがい,責任と,それを適切に評価される環境が整っていたことが大きいなと思った.
この摩擦感の無さや,自分が組織全体に向けて提案したことがスピーディに意思決定されていく様は心地よく,また,人事や内部のエンジニアの方も含めて既存の悪い問題を議論し改善できる空気はたまらなく良いものだった.
なんと無くこの時期くらいからぼちぼち就活を始めようと思った.

10月

また授業が始まり鬱になった.
授業があるとあまり遅くまで研究室に残れないので,それもちょっとしたストレスになった.
色々と積もる不満も多く,早く脱出したい気持ちが強まった.
特に,「しょうもない事に時間が割かれて消耗する」感じが復活し最悪だった.
例えば大学の不備の指摘に対して,それが数ヶ月経たないと改善されない様は最悪そのものだった.

11月

誕生日でした.
相変わらず消耗していました.

12月

お金がもらえて且つ都内で用事があったので逆求人というイベントに計2回参加した.
学部3年の頃に経験済みなので空気感も想定した通りだった.
結論から言うと「実力や実績が微妙な層」が行くのは適しているが,実力が有り余っている人は雑談しに行くだけなのであまり意味がないと思う.
その発言の意図は「真に能力がある人はここで人脈形成をせずとも能動的に取捨選択できるから」という意味.
企業と自分の価値観の相違を確かめたり,周りの学生から見た相対的な実力を知ると言う点では優れたイベントだと思っている.
ぶっちゃけ企業も優秀な人が欲しいはずで,「30分という限られた時間で事前プロフィールに書かれた経歴を延々と話し続ける人は欲しくない」と思うので,そういう気持ちで臨むと良さそうです.
後は結構前からエントリーしていた内定がぼちぼち出ました.
これもまぁ,新卒採用という開かれた場を利用して,業種の相場観や企業がどの程度自分を評価してくれるかの確認だと思って臨むと良いと思います.

就活は色々知見がたまるので良いと思います.


後は新卒で評価されたくないって説明したら中途の選考で通してくれる会社Yもありました.良い話なのでシェアしておきます.

まとめ

大学院は別のところを受けるべし.

学生エンジニアは時給1000円のベンチャーでバイトをするのをやめろ

この記事はklis Advent Calendar 2017の24日目の記事です.

adventar.org

私はklis13(3編)で,slis17の @ss_shopetan です.

投票により表題の話が最も需要があるらしい.
私自身,再来年には就職をしている予定なので,自分のバイト経験を交えながら昨今の学生エンジニア事情を考えてみる.

一番言いたいこと

低賃金で働くのはやめよう.
給与が低水準なのは私たちにとっても不幸だし,これを良しとし続けるならば今後業界水準も上がらないので長期的に考えても不幸になる.
また,現在安い金額で働かなくても,知識と実力をつければ将来的に大きな額で働くことができる.*1

特に地方の人間は搾取されがち.
つくば市も例外ではなく,エンジニアバイトで時給1000円未満なところも実際に存在する.
専門性が求められる仕事なら,前提として自分の技術力に自信を持つべき. (裏を返せば自信が持てないならやるな)
都内と比較してあらゆる職種の賃金が安い為,時給1000円が高く感じるくらいかもしれないが,そもそも技術力は土地に依存しない.
エンジニアバイトであるなら都内の最低賃金(958円)と同様以上の給与相場で考えた方が良い.

適切な給与相場を考える

例えば,茨城県つくば市に住む一般的な学生と仮定した上で,学生に高い支持を得ている松屋を例に考える.

www.matswork.biz

これを例に考えると,松屋では時給換算で980円前後貰えることがわかる.
他にもつくば市内の一般的な飲食店では時給800円前後,カラオケ店などは時給1000円超は貰えるようだ.

また,筑波大生としては比較的馴染みのある塾講師などのバイトを考えてみる.
私自身はつくば市内の塾講師を行なったことはない.
参考程度に私の地元の塾講師の場合は小・中学生には時給1000円,高校生には時給1200円で勤務していた.
土日祝日のみの小学校の非常勤教員として働いていた時は時給1000円.
家庭教師は時給2000円だった.

塾講師や家庭教師も自分の知識を資本としてバイトが成立しているわけだが,エンジニアバイトも技術力や専門性を資本として成立するものなので安売りをする必要はないと考える.

会社にも種類がある

  • 受託開発
  • 自社サービス開発
  • 研究開発
  • 地域密着系

など,考えただけで様々存在する.

受託開発

会社によっては案件で給与がスケールするものもあるが,基本的に安いところが多い気がする.
給与は安いもので時給800円前後からスタートするよう.(そして観測範囲ではmax1500円程度だった.)
業務は普通の開発系と同じで,技術選定も案件依存.(したがって,チャレンジングな事ができるかはその案件と上司次第.)
それから給与は「予算が案件次第で変化してしまう」かつ「一度あげてしまうと下げにくい」という問題があるらしく,慎重に対応されているという話も聞いた.

自社サービス開発

給与に加えて,技術や人間で選びやすいのがここかなと思う.
給与の基準も会社によってかなりマチマチ(1000円前後もあれば,2000-3000円も観測している)だと感じる.
例を挙げると,C^A系列は時給換算で1000円前後が多かった.(都内でコレだったら上がらないのも仕方ないなと思う)
会社は相性も含めて選択すると良いが,個人的にはわざわざ1000円前後で働く必要もないとも思う.
交通費支給かつ1000円前後をよく見るが,フルリモートで時給2000円みたいなベンチャーも普通に存在することを知った方が良い.*2
「日給n円」や「案件を完了したら給料が発生し,時給換算で最低賃金をゆうに下回る」案件も観測している.給与形態は確認すべき.

研究開発

筑波大学付近では研究所があり,応募すればバイトする事ができる.
例えば産総研などでは(個人の能力によってスケールするが)1500円前後でバイトできるようだ.
研究組織では基本的に自分の研究に繋がることも多いようで,学会への出張費の申請等も研究組織でできるらしい.

一方で筑波大学所属の研究所は一律800円程度と聞いたので所属組織に影響を受けるようだ.
それから,筑波大学では大学院生に対してTA(ティーチングアシスタント)として授業の補佐をする事で報酬を渡す制度が存在する.
TAは私も行なっていたが時給換算で1200円前後だった.授業の時間外労働分は私の観測範囲では支払われない事が多い.オススメしない.

また,私は大学のGFESTという高校生に研究に関する専門知識を指導し支援するプログラムに半ば無理やり参加させられることになり,時給1000円で高校生にディープラーニングを教えるバイトをさせられていた.*3*4
ちなみにバイトの給与は支払われた事がなく,高校生も期間中に失踪してしまったので結局大学機関に対してヘイトを溜めるだけになった.*5

参考までに以下にプログラムの詳細を添付する.
gfest.tsukuba.ac.jp

地域密着系

主観ではこの手の企業が一番危ない.
大学に入学したての新入生が誤って入ってしまい搾取される事があるので注意した方が良い.
未経験者でも受け入れる懐の広さが利点だが,「給与交渉」や「給与の見直しが行われるか否か」を最初に確認しないと安い賃金で買い叩かれ続けることになる.
それから新入生は「安易に起業を持ちかける」悪質なタイプのベンチャーキャピタルにも気をつけた方がいい.*6

バイトの給与を上げるためには

では実際に給与を上げる方法を考える.
結論から言うと,ベースラインを最初からある程度の位置まで上げるのが最短.
上げた上で「◯◯社ではn円で雇われていたので考慮して欲しい」と交渉するのが一番手っ取り早い.

高額の有名インターンなどに受かるレベルまで勉強する

正直これか,後述する研究開発のベンチャーで働く事が後の交渉において最短であると考える.
例えば,L^INEは1ヶ月のインターンで40万の報酬が出る.D^eNAでは3日間で10万円と高額である.
実際に自分が参加したメ^ルカリのインターンも日給2万の報酬が出る.
shopetan.hatenablog.com

リ^クルートのインターンでは日給こそ1万円であったが,会社で昼飯が奢られ,文字通り毎日銀座近辺の高級店で鰻や寿司といった食事をしていた記憶がある.
それから,インターン終了後の継続バイトは時給1500円からスタートしている人が多かった.
shopetan.hatenablog.com

C^Aでコンペ形式のインターンに参加した時は日給1万であったが優勝するとMacBookが降ってくる制度だったので,優勝すれば+15万超得することになり,結果的にこれも良かった.
shopetan.hatenablog.com

それから参考までに,TDのインターンに参加したnzwさんは月給40万で働いていたらしい.
Treasure Data Summer Internship 2017 #td_intern


そこそこ選考も厳しいので,これらをある程度ベースラインとして利用すると良い.*7
余談だがこれらの企業は宿泊費も出るので,我々地方学生が疲弊することもない.

LINE株式会社 | インターンシップ 2017
【DeNA サマーインターンシップ 2017 募集開始!】
https://www.mercari.com/jp/recruit/internship/
WINTER INTERNSHIP 2018 -ENGINEER- | findknow

研究開発のベンチャーで働く

研究開発関係のベンチャーも同様にして給料が高額であり,かつ自身の研究に活かせるのでオススメ.
私は教育と機械学習について研究をしており,この手の面接の際にNLPのエキスパートを探しているので無理」と断られたので実際に働いたことはない.*8
実際に働くためには高い専門性を求められるが,反面能力があれば無限に給料がスケールするので良いはず.
PFNでは夏季インターンの報酬として1800円が決められているが,その後のバイトは人によってスケールしているらしい.

PFN 2017夏季 インターン募集 – Preferred Networks

バイトの辞めどきと辞めにくいバイト

辞めどき

消耗していることを自覚したらやめるべき.
私も過去に理不尽を感じて消耗したのでバイト/インターンをやめた経験がある.
しかし,組織で働くと知り合いも増えるので,そういった人たちを経由して面談/面接をし他社で働くと良いと思う.
その際に給与交渉と業務形態の確認を怠らずに.

辞めにくいバイト

内定者バイトや大学内で人がいないなど「やらざるを得ない」タイプのバイトは給与交渉次第だと思う.
G社の内定者バイトは1200円,C^Aは1000円と聞いた.(もちろん人によるとは思うが)
個人的には,現在の内定者バイト = 実業務の先取りが多いにも関わらず,新卒のオファー金額に遥かに満たない金額でバイトをさせるのは些か問題ではないかと思う.
交渉の余地がないのならば素直に最初に断るしかない.

まとめ

実力で殴ってベースラインを上げると消耗しにくい.
自分の過去を振り返ると,高賃金の家庭教師で隙間時間に稼ぎながら興味のある機械学習やエンジニアリングに関する勉強/実装をしていたので,あながち失敗ではなかったと思う.
企業で働く場合は実績が可視化されにくいので,結論としては有名研究室で研究をし,業績をしっかり作る&研究開発ベンチャーで働く方法が一番いいと思う.

この手の話題で「時給が安くても勉強をさせてもらっているので問題ない」という論調で反論する人がいる.
しかし,先述したように(比較的)給料が高くてレベルの高い環境で勉強できる企業はたくさん存在する.

加えて,自身のアウトプット(github,blog,slideshare,論文 など)はどの企業に対してでもアピールできるが,大体どのようなベンチャーであっても企業内で行った業務は秘密保持契約を結ぶため,他社の方に説明できない問題が発生する.*9
昇給しにくいバイトをし続けるよりも,技術/知識のアウトプットを行いサクッと高給バイトをした方がトータルの収益は大きくなる.

やりがい搾取の思考は悪なので早急に滅びることを願う.

*1:これは自戒も込めて.勉強に時間を割いた結果エンジニア新卒で一般水準(400-500万前後)の倍近くのオファーを受けている人を知っている.

*2:最近ではSNSで優良企業が良い待遇で募集しているケースを見ますね

*3:研究科単位で請け持ちが決まっているらしく,院生が誰か1人は犠牲になる必要があった事,それから僕の周りにはこの分野を指導出来る人間が居なかったので仕方なく請け負った

*4:大学側には「業績として書けるよ」と言われたが中学生に受験勉強を教えるのと同額のプログラムを業績にはしたくない

*5:連絡がつかなくなったので失踪と呼んでいます.

*6:悪質なタイプの方は安易に起業させられるか,VCが持っている会社でいいように働かされることになる

*7:実力と交渉次第だが継続的にこれらの会社でバイトすることも可能である.私もこのタイプで,現在もインターン参加時以上の賃金で働いている

*8:私がNLPに関する研究知見が無かったわけではないので当時は不満だったが,「ピンポイントで会社として必要だったこと,エンジニアリングの歯車として使い潰したい訳ではないため採用を見送った」と返事をもらったのである程度納得感は得た.

*9:自分はインターン出稼ぎマンであったので,実務の具体的な説明ができず,苦労した.しかし自分の分野はMLなので沢山の企業の大規模データを解析した経験とアウトプットは非常に役立っている.

9月と10月

生きてます.

研究室のあれこれ

研究室での運用は難しいという話.
個人的にはそれくらいの周辺知識は持っていてほしいなと考えるわけですが,難しさも当然あるなと思う.
特にM2,B4は一部を除いて基本的に研究室に来ないので彼らとのコミュニケーションはまず諦めないといけない.
加えてそんな彼らに対して指導をすることは一学生の身分では不可能なので,研究室を脱出する以外の方法はないと思った.
未来の明るいB3生の研究室配属が決まったので,個人個人のパワープレイで殴っていける組織教育をしていきたい所存.


リスペクトし合えない文化は嫌いという話.
他所の組織を貶すのも構わないが,発言には責任を持ってほしい.

その他大学院の話


基本的に弊大学院は他所の大学院と比較して卒業に必要な取得単位数も多く,面倒な課題も多い.
上記のツイートは学内での自身の研究発表に対して受けたレビュー(質問用紙)に回答するレポートの話(必修).
研究発表をする以上は議論がしたいので,分からなかったという当日の質問は基本的に歓迎.
が,分からなかったことを分からないとコメントだけされても,何が分からなかったのかが分からないので非常に困る.
要はロクでもない課題を出すなということ.

slack障害時

みんな帰りたいのだと思った.

研究や面白い論文の話

いわゆる最適化問題を解くという問題に帰着した.

Y.Ito, S.Oeda, and K.Yamanishi: “Rank selection for non-negative matrix factorization with normalized maximum likelihood coding." Proceedings of SIAM International Conference on Data Mining (SDM2016), pp:720-728, Mar. 2016.

NMFなどの行列因子分解では行列を分解する際に適切なrank数(何行何列の行列に分解するか)を設定する必要がある.
人間や専門家が決定したrank数は情報理論的に正しい根拠がなく,専門家が決定した内容が正しいとは限らない.
そこで情報理論における符号化長の決定に用いるNML(正規化最尤符号化長)に基づいて推定できないかという話.

情報理論に基づいた推定方法はAIC,BIC,MDLなど様々なものが存在するが,どの手法も潜在変数(この場合,rank数が潜在変数となる)が含まれる場合は適切なパラメータを決定することができない.
そこでこの研究では完全変数化という方法を用いて観測変数と潜在変数を同時に現れるものとし,rank数の決定に応用している.

潜在変数の現れる非正則なモデルを情報理論に基づいてどう求めるかは山西先生の文献が参考になった.*1

仕事などの話

9月

メルカリのインターン期間は8月いっぱいであったが,無事に成果を出せたこともあって長期バイトという扱いに変化した.*2
会社では同期の行なっていた業務の内容を引き継ぎ,精査された本番環境にデプロイするところまでを行なった.
久しぶりにPRレビューバトルを行なったがコメントは余裕で100件以上指摘していただいた.
自分にこれだけの時間を割いてくれるのもありがたいですが,それ以上に質の良いものを本番に持ってくというプロフェッショナル精神とマンパワーに圧倒される1ヶ月だった.
特に平気な顔してすごいことをやってのける人ばかりで,まだまだ自分は未熟だしエンジニアリングも足りてないなと思った.
「データサイエンスを扱ってる人は会社によっては分析だけが仕事になる場合があるが,君は機械学習エンジニアなので,エンジニアリングも徹底して出来る人になってほしい.素養あるし頑張って.」と,終わらないレビューで凹んでいた自分に対してメンターさんから激励をもらった.
期待に応えられるだけの地力を残りの学生生活でも身につけられるように勉強する.

そのほかに,会社に居て良かったなと思うのはベースラインとしてよく用いられるナイーブベイズ君を好きになったこと.
分類に深く影響する特徴量の影響度合いを調べるのも簡単だし,何より早い安い旨いの3拍子揃ったようなイケてるやつだなと思った.
全然利用していなかったがclass_weightもデータによってはいい影響を及ぼすものもあって,それぞれのオプション引数も深掘りしていくと面白いなあと思った.

10月

絶賛無職.*3
丸々2ヶ月間,ぶっ続けで会社で働いていたので,筑波に帰ると鮮度のいい情報を追っていくのも大変だし,何よりクリエイティブなことが少なくてフラストレーションが溜まることが多々あった.

それと,10月末にBOLDインターンシップという海外派遣のインターンに参加することが正確に決定した.
英語が喋れない(というかBroken English)なので抵抗なく会話できるように,まずはちゃんと英会話をやろうと思った.*4
ボストンに行こうと思うので,ボストンに知り合いがいる方がいましたら是非繋いでいただけると幸いです.

今月読んだ本

ビットコインとブロックチェーン:暗号通貨を支える技術

ビットコインとブロックチェーン:暗号通貨を支える技術

ブロックチェーン周りの教養は持っていて損がない.
なんとなく技術概要は知っていたがマイニングもしたいので体系的に勉強しようと思って買った.
ざっと見だけどエンジニア素養のある人は抵抗なく読めると思う.
情勢の変化が激しいのでこれ以外にも時事関連のキャッチアップを引き続き勉強する必要がある.あくまで手元にあると良いなって感じの本.

今月の目標

  • EMアルゴリズムの実装
  • DeepLearning本 8章をちゃんと読む
  • 英会話を週3以上やる
  • 残りの半分の日はRustで競技プログラミングの問題を解いていきたい
  • 誕生日をエンジョイする(昨年度送っていただいた方でお返しもらってない! って人は是非一声おかけ願います)

amzn.asia

*1:山西健司: 「記述長最小原理の進化:基礎から最新の展開」電子情報通信学会Fundamental Reiew, 第10巻第3号, pp:186-194, 2017.

*2:正確にはもっといい待遇

*3:請け負ってるタスクはあるが大したことないので実質無職

*4:週1でやってたけど頻度を上げようと思う

mercari Summer INTERNSHIPに参加しました.

追記: 2018年度の募集要項がオープンしたようです!
mercan.mercari.com


機械学習エンジニア(以下ML)コースに行ってました.

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3行まとめ

  • 成果を残す姿勢がすごい
  • メンバーがみんな強い
  • 待遇もいい

参加まで

メルカリでは,長期インターンという形でのインターンシップの受け入れを通年で行なっています.
今回,サマーインターンという枠組みで募集をしたのは会社として初めてのケースだそうで,今回の参加者が1期生でした.
MLコースでは,軽いESの提出に始まり.
事前課題 -> エンジニア面接 -> PM面接という順番で選考が進みました.

事前課題

事前課題はソフトウェアエンジニア(以下SW)コースとMLコースで異なる事前課題を提出する必要がありました.
mlコースではいわゆるkaggleのような形で,機械学習に関する知識や技能が求められるような課題でした.
口外するなと言われているので詳細は内緒です.
受かった同期に聞く限り,超簡潔に記述した人や長文でアレコレした人もいれば,本筋とは違うものの思考の過程が評価されたという人もいました.

面接について

エンジニア面接とPM面接がありました.
履歴書を持ってくるようにと言われたので,過去にやってたプロダクトや研究,インターン歴などなどざっくばらんに記述した紙1枚持ちながら面接に行きました.
前者は現場(配属先)の社員の方で,僕は事前課題の話や最近の技術的な諸問題やらサービスに対するフラストレーションを話した気がします.
後者はPMの方でしたが,履歴書のウケが良く,ずっとエンジニアサイドの話をして終わりました(楽しかった).

参加決定後

前日まで宿泊先の話が進んでいなかったので死ぬほど不安だったんですけど,結局宿は出ました(嬉しい),筑波生に優しい会社だった….
特にインターンの内定者で事前交流があったわけでもなく,ふらーっと当日出社したらそれっぽい人が居て喋ったらインターン生だったって感じでした.
後から聞いた話ですが,どちらもかなり選考は厳しかったそうです.
MLがSWよりもわずかに多かったのですが,それは「優秀な人が多かったから」と仰っていました.
実際インターン生の自分から見ても皆優秀で,普段の雑談でもDeepやML全般の会話が不自由なく意思疎通を図れたので最高でした.

待遇

日給2万でした.
月収40万のL社やMS社,TD社よりも高かったです(今年は22営業日あったため,トータルで44万).
宿泊先は六本木に近い西麻布(セレブ街!!)で,可愛いお姉さん見ながらフェスやカンファレンスのTシャツを来て出勤するエモい日々を送っていました.

開発などの環境

最新版のMBP(i7,15inch, 16GB, 256GB)でキーボードの選択が可能でした.
「モニタ欲しい」ってワガママを言ったらモニタも普通に貰えました.
社員のエンジニアの人には任意のディスプレイを支給しているそうです.4Kのディスプレイで作業している人が多々いました.
椅子はオカムラの椅子で,腰痛持ちの自分もハッピーライフを送れました.
それからMBP以外にも,デカめのデータを扱う場合,オンメモリに乗らない規模感になるので,状況に応じて適宜GPUインスタンスやメモリ増し増しインスタンスを立ち上げて貰えました.

社員さんとの距離感

とても近い(物理的にも)です.
2 on 1や1 on 1の形で社員さんがメンターとしてサポートをしてくれました.
毎日必ず30分程度の打ち合わせを行い,その日に行った業務のフィードバックや方針決め,それから議論などを必ず毎日できる環境でした.
それ以外にも,手法や技術で詰まった時にslackで気軽にメンションが飛ばせることが大きいです.

インターンのタスクなど

インターン生が行なっていた業務のタスクは,順次メルカリのエンジニアブログに公開されるかと思います.(なのでこの場では触れません.)
それぞれのバックグラウンドが考慮されたようなタスクで,あらゆるデータを駆使して行っていました.
メルカリの機械学習の事例について,以下のスライドで発表されいてるものもありますので,参考にしていただけたらなと思います.

speakerdeck.com

真面目な話

成果と報酬について

インターンの初日にVP of Engineeringの方から「なんらかの形で爪痕を残していけ」という言葉を頂きました.
これはインターン期間中,常時心に刺さっていて,そのほかの方からも「成果を出してください」という言葉を定期的に頂いていました.
結果的に目に見える形で成果を残してインターンを終えたわけですが,このプレッシャーがあったからこそ良い物を作ったり,残したりすることができたのかなと考えています.
参加前に冗談で「使えない人材だとメルカリで売買される」と話していたんですが,能力が基準に満たない場合はインターン中に足切りをする可能性も本当にあったそうです.

会社としてGo BoldBe Professionalという考え方をとても尊重していて,「成果を出すための障害があるなら取り払う」「成果には適切な報酬で支払う」ということが徹底されていました.
実際の環境や距離感の項目からもそれは見て取れると思います.全ては成果を出すというところに注力されているのだなと,参加後にひしひしと感じます.

他の参加者について


ツイートでも言及した通り,本当に皆優秀でした.
(優秀な代わりにみんながあらゆるベクトルで尖っていて,SW組の人たちが引いていたのを覚えていますw)
ML組の成果発表がSW組よりも早くに終わったせいか,何故かVPEの人やPMなど偉い人たちの前で,僕がSW組のみなさんに対してオープニングトーク(要はエール)をさせられたのが面白くて笑ってました.

それから,これはトゲのある発言ですが,ML組の方がSW組よりもエンジニアリング力が高かったらダサいですし,SW組の方がML組よりもサイエンスを理解していたら恥ずかしいですよね.
このインターンではそういうギャップ感が全くなく,本当にお互いにリスペクトしあえる人たちで構成されていました.これは本当に良かったです.

一貫して学んだこととか

去年のリクルートテクノロジーズでのインターンで,
shopetan.hatenablog.com

  • 表面上のデータ分析しかできない人はクソ.
  • 人に理解や納得をしてもらうためには可視化しないとダメ.
  • 「やってみた」から抜けるためにはサービス特有の問題や原因を突き止めるところからやろう.
  • 常にアンテナを張り続けてないとおいていかれる.

という教訓を記述していたのですが,その教訓がこのインターンでも活きました.

感じたのは,「サイエンスか否か」というところで,行動に理由が必要という事でした.
仮説検証に始まり,データ設計,前処理からモデルの設計.
モデルの設計をしたら今度は手法の適切さの洗い出し.評価方法も考える.
何を優先して何を諦めるのか,その基準や閾値は一体なんなのか.
とにかくこれらすべてを1ヶ月徹底的に叩き込まれていました.
インターン開始数日で「君のやってることはサイエンスではない」と言われた事が今でもショックで覚えています.
結果的にその挫折感が成果につながったと思う事と,正しくサイエンスをしていれば,どんな鋭い質疑を浴びても論理的に説明ができるということを学びました.
これは就職する前に学べて良かったなと心から思います.

総じて

良い会社でした.
今後僕の関わってるタスクも本番環境に乗っかっていくはずなので楽しみにしていて下さい.
僕は今後とも長期インターンとしてMLの部門にアサインされる事が決まっており,9月1日も普通に出社してました.
来年度以降も開催されるかと思うので,優秀なメンバーと積極的に挑戦したい人は是非応募してみると良いかと思います.
今後ともよろしくお願いします.

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7月

夏ですね.

出来事

研究室


おかげさまで人は死んでませんでした.
でも相変わらず研究室は深夜まで電気がついテイル.
誰かに強制されて残っている訳ではなく,各々が好き勝手している感じで僕も楽しい(研究はしていない).
まぁやることが多いのはいいことだと思う.

課題のあれこれ



授業のTAという形で,学部2年生の演習授業に携わっていた.
特に,WEBアプリケーションを作るタスクは1年生では無かったはずなので大変だったと思う.結構な人数のプログラムをお手伝いしていた.
その甲斐あってか大学で声をかけてくれる子やだる絡みしてくれる子が出来てちょっと楽しいなと思ってる.


昨年度とかはTAが授業時間外に手伝いをする文化があった訳ではなく,自主的にやっていた.
時間外労働に該当するので無給な訳ですが,自主的にやっていたのは理由があって

  • 自分が学部生の頃,編入生の同期が(文字どおり)泣きながら課題をしており,その手伝いをした経験があったので,なんか見てられなかった
  • 当時のTAは結構無機質な人が多くて嫌だなと思う経験があった
  • どうせならちょっとでもプログラムを楽しいと感じる瞬間があって欲しかった

ざっとこんな感じ.
特に1番目と3番目は自分に通じるところがある.
高専の頃は本当にコードが書けず,色々な人に迷惑をかけていた.
当時わざわざ付き合ってくれていた友人には本当に感謝しているし,自分も何らかの形で困ってる人に還元したいなと思っていた.
その還元の機会がたまたま今回だっただけで,まぁそれ以上の深い意味はない.
3番目に関しては,自分も自分で考えたコードがうまく動いた時の喜びを知っていたし,徐々にプログラムが出来上がっていく楽しさも知っていたので,
少しでもそれを感じてもらえれば苦手と思わず興味を持ってもらえるかなという理由だ.


でもそれ以上に授業がきっかけで仲良くしてくれる人たちが増えたことの方が大きい.
だる絡みしてくれる皆さん,だる絡みに付き合ってくれる皆さんありがとうございます.

2年生と一緒にお疲れ会をした(していただいた).
研究室に帰ったら「犯罪」「違法飲み会だ」等の罵倒を受けた.

夏休みについて

研究室の先輩で月収40万プレイヤーが出現したかと思えば,無事に自分も月収40万プレイヤーになれました.
六本木にいるので東京近辺の皆さんご飯に行きましょう.
8月中は六本木OLとしてきかいがくちぅや,でーたぶんしぇきをする予定です.

バイトのこと

エンジニア的なバイトの話

ひと段落して,大手から重めの案件が降って来てそれをやってる感じ.
業務的にはきかいがくちぅがやれているのでやり甲斐を感じるし楽しい.


本当にこのツイートの通りで,責任を感じるがうまく昇華していいものを生産したい.

教育的なバイトの話

GFESTという筑波大学内で行われている取り組みに不幸にも参加することになった.
gfest.tsukuba.ac.jp

どういう取り組みかを3行で説明すると,

  • 全国の優秀な取り組みを行う高校生に
  • 大学側でそのサポートを
  • 学生に時給1000円でやらせる取り組み

です.
家庭教師,塾講,小学校の休日の特別教員,保育園の先生の補助などいろいろやりましたが,これは中学生に数学を教えるのと同じ値段です.
大学として力を入れて取り組んでるプロジェクトらしいですが力を入れてる割に随分適当だなと思いました.
僕が引き受けることになった理由は単純明快で,「M2の先輩がやりたがらなかったこと」と「B4のほとんどが連絡がつかないこと」が原因です.
エンジニアバイトもGFESTも同じレベルの知識や経験を必要とするのに倍以上給料に差があるならやりたがらないのは普通かな.
知識や技術の安売りはしてはいけない(戒め).


競プロのアレ

決して虚無ではないけど,実績や成果という意味では虚無だった.
相変わらず競プロはしてるけど数が絶対数がまだまだ足りず,頻出問題やDPの初歩すら出来ないので無知は厳しいという感じ.
AOJの基本問題みたいなアレが7,8割終わったのでもう少しって感じ.頑張りたい.

本を読んだ

高専に入学してからはノベルゲーをするくらいで後は全部参考書や専門書だったせいか,自分は言葉選びが滅茶苦茶下手である.
文章が中心だと,堅苦しい言葉遣いや時に相手を誤解させるような表現をしてしまうので治して行きたい.
ところで本を読みました.

「僕は明日,昨日のきみとデートする」の作者の本です.
中盤から一気に面白くなって夢中で読めた.自転車二人乗りはいいぞ.
読み終わると「今日も結婚できなかった」と呟くことになる.

原作が「寿命を買い取ってもらった。一年につき、一万円で。」というもので,大筋は同じ.
話も結末も知っていたけど,それでも面白かった.
今ネットでweb漫画も掲載されているので,興味がある人は原作の名前で調べると良さそうです.

7月の反省

7月にしたいこととして,

  • おさんぽ
  • (交際費以外の)節制
  • いろいろな人と出かける
  • いろいろな人とご飯を食べる

を挙げたが出かけること以外は達成した.
人と会って話すという行為は重要だと思った.

8月にしたいこと

  • 責任を負う
  • 成果を出す
  • お金を稼ぐ
  • 体調管理に気をつける
  • 綺麗なものを見る

です.
8月に重めのタスクが鎮座してるのでそこでしっかり成果をあげることが目標.
お金は成果に伴ってついてくるでしょう.
2017年の正念場なので体調管理に気をつけて頑張ります.

6月

(ほぼ)毎日研究室に居た.

競プロをやり始めた.

これは表題の通り.

プログラミングコンテスト攻略のためのアルゴリズムとデータ構造

プログラミングコンテスト攻略のためのアルゴリズムとデータ構造

これを見ながら,AOJ(下記URL)のアルゴリズムとデータ構造に関する問題を解きまくってる.
AIZU ONLINE JUDGE
ようやく大体半分解き終わったので8月までには全問解きたいなと思ってる.

気をつけようと思ったこと

時間を決める

一人で考えて「うーん,う〜〜〜ん」と唸っていても解決しないことが1ヶ月ほど取り組んでよく分かった.
例えば計算量にしてもDPにしても,元々自分の頭に知識のない事は考えても解けない.

質より量を取る.

とにかく今はinput量を大事にしたい.
2回ほどAtcoder のコンテストに参加してみたが,ABCのC問で時間を消費する事が分かった.
コンテストは時間設定が決まってる分,時間が余れば余るほど贅沢に最後のD問を考えられる.
素早くB-C問程度の問題を解けるようになり,D問を残り時間を目一杯使って解くことを暫くは目標にしたい.

振り返りの時間を週に1度は作る

量を維持するためにはコンスタントに問題を解く必要があるが,全部の時間を解く時間に当ててしまうと類似問題でコケる気がするので週に1度は復習の時間を設けようと思った.
週3~4でB-C問レベルの問題を数問解き,週に1度D問をじっくり考えて解く.
加えて今週解いた問題について振り返る時間を週1で作りたい.

やってること

  • 常設のAOJでデータ構造とアルゴリズムに関する問題を解く
  • yukicoderで★3未満の問題を時間を決めて解けるだけ解く
  • Atcoderのコンテストに参加する(暫くはC問までは2ミスまでで素早く解く事を目標に)

あれこれデータ分析をする

所感

Deep関係が持て囃されているので自分も趣味研究で利用してるが,最近は機械学習周りの新卒を取る基準は「Deepを研究で利用していてそれなりの知見を持っていること」のように感じる.
自分は教育データマイニングをメインで行っており,その過程でミニマムなデータに対するスパースモデリングや行列分解をしている.
Deepはデータ量や計算機資源が十分無いと厳しいのでメインの研究に導入しようとは思わない.
加えて,学習過程があやふやなので「教育データから価値のある情報を入手する」という目的にはマッチしないのだ.
しかしながら,世間的にはDeepのできるエンジニアが重宝されているようで.
できるって何だ?って思うけど基準は前述したとおりでDeep研究をしている人ができる人のベースラインに感じた.
研究という「自ら課題解決を行いたい分野」と「企業が求める人材・分野」とのズレを最近感じていて厳しさがすごい.

やってること

愚痴が増えて来たのでこの話はここでやめるが,kaggleのデータ等を利用して自分の腕が鈍らないように研究とは関係のないデータ分析を行うようにしている,という話.
対象は画像,音声,自然言語など様々.
自分の目標に,「データサイエンスを理解し問題解決に適切な機械学習手法を扱うエンジニアになる」というのがある.
フロント,バックエンド周りは書きたくなさが凄いのでバイト程度に留めて自分の強みを伸ばせる方向に勉強したいと思う.

特に今月はアンサンブル学習の手法や論文を読んだり,「kaggle master」と呼ばれる人たちの参加報告記事を参考に実データに対する分析の知見を吸収できているので悪くはなかったと思う.
強く感じたのは「アンサンブルの前に特徴量選択や追加,削除を柔軟にできるようにする必要がある」ということ.
特徴量選択の追加は外部データを利用したり,データの加工方法によって様々な事が可能みたいなのでこれも試していきたい所存.
また,特徴量をdropして複数のモデルでアンサンブルする方法など,色々勉強になることが多かったので実りはあった.

研究

教育というニッチな分野をやっているとデータ収集にヘイトを溜めるケースが少なくない.
これは教育に関する事業を行っている会社や大学などの教育機関でしか出来ない研究だと思うので価値はあると思っているが自分のペースで進まないもどかしさもある.
実際今月も虚無虚無プリンだったが,ようやく実データがまともな形で入手できたのでちょっとは進展しそう.

そのほか

進捗&時間管理

Githubでカンバンを建てて週ごとの進捗管理をするようにした.
見にくいが,小さなIssueを複数発行して,週+毎日のタスクやノルマの管理を行っている.
毎日行うようなタスクは[daily]というタグをつけて発行するので,完了したら次の日に移動するだけでいいので楽ちん.
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本を読む

今月はこれを読んだ(読んでる).

SOFT SKILLS ソフトウェア開発者の人生マニュアル

SOFT SKILLS ソフトウェア開発者の人生マニュアル

為になったことを纏めるためにこれに関する記事を別途で建てようと思う.
エンジニアの人生を豊かにする方法が書かれている.
面接を効果的に乗り越える方法や履歴書など就職に関することも勿論,フリーランス,起業などに関する内容も載っている.
個人的に面白かったのは,エンジニアが結婚相手を見つける方法や筋トレに関する項目.
どのように自分をコントロールすればよいかが分かるので,この本から学んだことは多い.

深層学習による自然言語処理 (機械学習プロフェッショナルシリーズ)

深層学習による自然言語処理 (機械学習プロフェッショナルシリーズ)

こっちは研究室のドメインNLPの教養も必要なので勉強に.
いわゆる「出た!本」です.
まだ前半しか読んでいないので今度読み切る予定.

7月にしたいこと

  • おさんぽ
  • (交際費以外の)節制
  • いろいろな人と出かける
  • いろいろな人とご飯を食べる

です.
社会性を保つためにも,自分がストレスを溜めないためにも上記のことはやりたい.
とにかく研究室に引きこもりがちなのでいろいろな人と出かけたり,ご飯を食べたりなどがしたい.
来月以降になりますが,ウルトラジャパンや各種フェスに一緒に行って楽しんでくれる人も募集しております.
遊びましょう.