未来永劫

メリーバッドエンドが好きです.

メルカリのBold Internship2017 に参加した

https://www.mercari.com/jp/recruit/boldinternship_2017/
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夏のSummer Internshipに引き続きアメリカ or イギリスのどこかにランダムで飛ばされるインターンに参加した.

前置き

発端はバイト中にメルカリの社員さんから「今年もBold Internshipやるよ」と話を振ってもらったこと.
英語が出来ない(B3でTOEIC300点台のGoBoldさ)*1 & 海外渡航経験ゼロなので一瞬渋い気持ちになったが「Go Boldにやっていき💪」と返事をしてしまったので,大胆に応募課題を書いて提出した.*2

概要

第1回目のインターンが大きく話題になったので知らない人は少ないかと思うが,このインターンの特徴は

  • 海外渡航費(調べたら年末年始の時期は片道で20万円前後)
  • 現地宿泊費(Airbnbで自分で宿を取る.10万前後)

が全て会社負担.
しかもインターンの参加報酬として12万円が降ってくるプログラム.
1週間渡航する中でのほとんどの料金を会社が負担してくれる計算になる.

第1回目と2回目の違い

違いは2つある.

1つは渡航先にUKが追加されたこと.メルカリはイギリスでも展開しているため,UKでのヒアリング情報はUS同様に重要となるので納得する.
もう1つは企画職とエンジニア職がペアになったこと.
以前はそれぞれが1人で渡航していたが,今回はペアで必ず渡航しなければいけなくなった.
前回と比較して企画職の人はより企画を仕上げ,エンジニア職の力を借りて実現性の議論やモックの作成が容易になったと考えられる.*3

派遣州

派遣州はマサチューセッツだった.
主に派遣期間はマサチューセッツ州の中心都市であるボストン(主にダウンタウン,ビーコンヒル付近)に滞在していた.
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ボストン付近では学園都市としての側面も強く,ハーバード大,MIT,ボストン大,タフツ大など有名大学が連なっている.
地図上の左上がハーバードで,特にハーバードとMITは物理的距離も近く,電車ですぐの距離にある.
主要な機能が集約していることもあり,アメリカにしてはインフラも整っており,地下鉄が張り巡らされている他,バスや路面電車などの交通網が生きているのが特徴.
ライドシェアサービスとしてUberLyftなどが挙げられるが正直これらが無くても都市部だけなら生きていけるなと感じた.*4
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写真はボストンの街中の1枚.歴史的な建物と背後に映る近代的なビルがなんともミスマッチで味わい深い.

渡航期間は12月末から1月初旬.現地は-10度を余裕で下回る(夜で-16度)ので空港を出た直後に渡航した事を後悔する.
現地の人たちは皆ニット帽と厚手のジャケットを着用していて,適当な服で徘徊する事の愚かさを教えてくれた.

事前準備

荷物や必須事項


有線のイヤホンは機内で利用するために,それからスリッパは宿泊先での行動用,各種シャワー用品は現地購入だと大きいサイズが多くて持ち運ぶのに不便&匂いがキツい.
地域によっては治安の問題があるので予備の財布やクレカは準備しておくと良さそう.
Airbnbの宿予約も事前にやっておくべし.
SIMフリースマホの準備もしておくと良い,UberLyftは電話番号が無いと登録出来ないので日本国内でやっておくと便利.

仮説設定

私はSummer Internshipに参加する際に会社を知る意味も兼ねてBold Internの調査をしていた.
渡航者のブログ記事は大体読み,各州ごとの問題感や価値観などを確認していた.

共通で全州で問題となっているのは認知度信頼性であった.
letgoやOfferUpなどの,CtoCマーケットとして競合となるサービスでも認知度は同様にして低かったことが特徴的.
ここで考えられる仮説の1つは,そもそもフリーマーケット方式のアプリ/サービスを利用している人自体が少ないのでは無いかということ.
アメリカの多くのユーザはネットショッピングを利用する際にAmazoneBayを利用すると前回の渡航者の方々は述べている.
これらのサービスはUSで古くから存在し,認知度と信頼性を勝ち得ている.
USで成長するためにはこの2つは欠かせないと言える.
まず必要な施策は,フリーマーケットアプリの信頼性の担保とメリットの享受だと考えられる.

仮説の2つ目はUSユーザは儲けるという観点で疎いのでは無いかということ.
goodwillを代表にアメリカでは寄付の文化が根強いという主観がある.
メルカリは現在メルカリNowという即時買取サービスを開始し,UKでも同様に開始している.
USでの即時買取サービスに該当するのが寄付だと考えられ,店頭に持っていくことで現地のコミュニティへの貢献ができる.
この文化が普及しているのは,USでは儲けるよりも社会貢献の方が価値が高いと考えられているからと考察する.
ここで考えたのは,寄付をする範囲をローカルから日本やUKなどの海外に広げ,寄付をするユーザの欲求や社会貢献価値を高められないかということである.

現地ヒアリング

地に足がついた仮説設定が出来てもヒアリングが出来ないと仮説検証が成立しない.
ここでは「ヒアリング対象のユーザのコミュニティに属し,生活の中で問題発見や調査を行う質的調査」が期間の都合上難しいので,偏りのある分布を避け,定量的に評価する量的調査を実施する.
目標調査数50人を設定し,ヒアリング対象に負担をかけない設問数(最大5-7問程度)を意識してインタビューを実施する.

ヒアリング方法

渡航者のコミュニティSlackで投稿されていた「スケッチブックなどに我々の素性,渡航理由,アンケート概要」を記載し,調査時に初めに提示する方法がとても興味深かったので我々も試すことにした.
また,参稼報酬として日本のお菓子(抹茶キットカット歌舞伎揚,きのこたけのこ,カントリーマアム)を詰め合わせたものをプレゼント用に準備した.
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予算は約4000-5000円で50人に配るには十分な量が購入できた.

ヒアリング場所

ヒアリングには場所も重要で,例えば大学などの限られたコミュニティのユーザのみを利用してしまうと偏りが発生するため,年齢性別を問わず多くの人が利用する公共図書館やカフェなどで実施することにした.
対象は学生からカップル,親子や家族連れまで幅広く取り,20代から60代まで大きな偏りが発生しないようにする.
ちなみに渡航期間の関係上大学は冬季休暇なので行っても観光客くらいしかいなかった.

結果と知見

結果

現在最終成果報告会が実施されていないためここでは割愛する.

知見

想像以上にフレンドリー

実施した結果,たどたどしい英語にも関わらず,多くのヒアリング対象が我々にフレンドリーに接してくれた.

  • ボストンにようこそ!
  • MercariはUSでもちゃんと使える?
  • 英語喋れるの? 分かりやすかったよ!
  • 大学では何してるんだい?
  • 抹茶キットカット! これ美味しいよね~

などなど,想像以上に優しく対応してくれた.最初のスケッチブック提示とお菓子がダブルで良かった.


買い物しててもスタバに行ってもエレベータで一緒になっても,気さくに他人へ声を掛け合っていて文化をとても好きになった.

英語が喋れなくても案外どうにかなる

自分は英語ができないとガチで思っていたけど,流石に50人以上アタックし続けていたらネガティブ思考が変化した.
確かに英語は人並み以下でしか喋れないけれど,本当に分からなかったらgoogle翻訳で記述してもらえば良いし,ニュアンスが伝わればそれで良いのでとにかく「会話」ということを意識しだしたら気が楽になった.
文法や発音よりも「会話」なので瞬間的に大雑把に言いたい英文を発言できるかの方が大事だった.
しかし,相手はネイティブ,超スピードで返事をしてくるので耳が悪いと死亡することもわかった😇
何度も聞き返してしまったり,リスニング力が悪くて変な勘違いをしてしまうのが反省.
次に渡航するなら英作文とリスニングを重点的にやったのちに行きたい.

それから,流石に1週間も英語漬けになるので耳が慣れる.
耳が慣れるというより抵抗がなくなるのかもしれない.「英語が喋れるようになりたいなら海外行け」という論調は今なら納得できるものがあった.*5

副詞がすごい大事だった

言葉の節々で

  • just
  • really
  • actually

などの語句が使われていたので特に感じた.微妙な表現をする際に融通が効く言葉だった.
これは多分口語だからで,主観性の強い言葉なので実際の会話文などでないと出現しないのでこれも意識して利用できると良さそう.

色々と大雑把なので気をつける
  • 「ポテト少なめで」って言ったら箱からすでに溢れてたり
  • 二郎系ラーメン*6の少なめも少なめじゃないし
  • スーパーで会計してたら前の人が未会計のジュースガブガブ飲み始めたり


こういうのばっかりだったり.
とにかく日本と比較してワイルドなので日本が恋しくなった.

旅行日記


既に-14度.


ボストンで一番大きな公園が近かったのでいけば人いるやろと思ったけど寒すぎて全く歩いてなかった.



図書館情報学徒はあまりの自由さに感動した.


リスでした.


ザリガニめっちゃ美味かった,オススメ.


ユニクロは海外だとちょっとした良い目のブランドになってた.


寿司の概念が変わった.


あまりにも想定サイズと違ったので昼と夜に分けて食べた.



日本ではSuperdryが規制で販売されないため,この商品を買うなら今しかないと思った.
実際質もいいしCoolなので推したい.*7


水族館に行った.亀のサイズが浦島太郎に出てくるサイズと,それすら遥かに超える亀がいて驚いた.
触れ合えるサメの特集をしていたのでサメに触った.可愛かった.
とにかく日本と比較して魚や動物との距離が近くてよかった.


ここはボストンでも人気店らしく,開店と同時に行ったがその後あっという間に席が埋まってしまった.


MITとハーバード大の中間にある都市部にはGoodwillの店舗があった.想像していたよりも質はずっとよかった.
お客さんも沢山いて,同時に寄付している人もいたので至って自然に寄付文化が根付いているなと思った.


Miracle of Science barというお店.普通に美味しかったしBroken Englishなのに対応してくれて助かった.
チップを多く払おうと思ったのに失敗してしまって後悔している.




最終日,帰国予定であったが吹雪のため丸1日欠便で帰れなくなってしまった.
1週間天候は安定していたが,最終日になって猛烈な吹雪に見舞われてしまった,年始から運がない.
メルカリの社員さんへの連絡,提携旅行会社への連絡をし,今日分の補填が行われることを確認した.
吹雪なので勿論出歩けず,一日分時間をロストしてしまったが,今後渡航する人の参考にもなるだろうし,ネタにもなったので良いでしょう.

まとめ

  • マサチューセッツ州ボストンに渡航した
  • 現地ヒアリングを頑張った
  • アプリの使われ方や生活感に関する知見は多く溜まるのでエンジニアでも行く価値がある
  • 事前調査がヒアリングにクリティカルに影響するのでやるべし

*1:今はもっとマシだが,それでも他の参加者と比較して劣っているでしょう

*2:夏のインターンとも別枠なので,ちゃんと選考を受けた.ちなみに応募課題で書いた内容は自分の恋愛遍歴.

*3:といっても中々難しい,仮説と検証の結果出されるアウトプットが施策の1つになるか機能追加の1つになるかは分からないからだ 大事なのは結果が数字として信頼できる値なのかだと思う

*4:が,実際に地下鉄などのインフラを利用してみると,そもそもシステムや設備自体が前時代的で日本都市部の交通インフラが以下に優れているかがよくわかる. 実際,地下鉄が走っていない地区もありそれらの移動ではUberなどの方が利便性に勝る.これらのライドシェアサービスは浸透しきっていた.

*5:実際は語彙や表現,会話に問題があるのは変わらない あくまで「慣れて抵抗が無くなる」だけ

*6:Bostonには「夢を語れ」という名前のラーメン屋がある.完食後に自分の夢を語ることがある意味必須で,食べてる人も完食した人の語った夢を聞いて応援したりしていた.

*7:なんとメルカリ内で購入できます.